Casa BRUTUS
DESIGN

シャルロット・ペリアンのレアピースを〈サンローラン〉が限定復刻。

『カーサ ブルータス』2025年7月号より

| Design, Fashion | text_Sanae Sato

トルトーナ地区でスカラ座の舞台装置や衣装を手がける芸術部門の一部である文化施設、パディリオーネ・ヴィスコンティ。天井が高く広々としていて、配管がむき出しになったインダストリアルな空間。無数の木製ブロックを繋いだ“壁”で緩やかに仕切られた展示スペースではこれまでに見たことがないシャルロット・ペリアンの家具が堂々と並ぶ。

パディリオーネ・ヴィスコンティのインダストリアルな雰囲気と、木製ブロックのコントラストが引き立つ展示空間。各地の素材やクラフトを取り入れたペリアンの家具は、これまでほとんど知られていなかったものばかり。
パディリオーネ・ヴィスコンティのインダストリアルな雰囲気と、木製ブロックのコントラストが引き立つ展示空間。各地の素材やクラフトを取り入れたペリアンの家具は、これまでほとんど知られていなかったものばかり。
〈サンローラン〉のミラノ・デザインウィークへの参加は、ジオ・ポンティによるベネズエラのヴィラ・プランチャートのためのテーブルウェアコレクションを復刻した昨年に続き、今年が2回目。クリエイティブ・ディレクターのアンソニー・ヴァカレロが今年のテーマに選んだのは、日本とも縁が深いシャルロット・ペリアンだ。

〈サンローラン〉とペリアンの関係は、ムッシュ イヴ・サンローランの時代に遡る。生前、彼はペリアン作品のコレクターであり、長年彼のパートナーであったピエール・ベルジェは、世界各地で彼女の回顧展を支援していたという。
1962年、リオデジャネイロで夫であるジャック・マルタンのためにペリアンが製作した《リオ・デ・ジャネイロの書棚》。ブラジル産の無垢のローズウッドを用いて書籍とともに美術品を展示できるように設計され、スライドするパネル部分には現地の伝統的な工芸技術の籐編みを取り入れている。
1962年、リオデジャネイロで夫であるジャック・マルタンのためにペリアンが製作した《リオ・デ・ジャネイロの書棚》。ブラジル産の無垢のローズウッドを用いて書籍とともに美術品を展示できるように設計され、スライドするパネル部分には現地の伝統的な工芸技術の籐編みを取り入れている。
坂倉準三が設計したパリの日本大使公邸。1960年代にその内装と家具デザインを担当したのがペリアンだった。6人掛けの《パリ日本大使公邸のソファ》は、7mにも及ぶローズウッド製のフレームが力強く独創的なデザイン。籐編みを施したシートの左右がウィング状に持ち上がり、軽やかさも感じさせる。
坂倉準三が設計したパリの日本大使公邸。1960年代にその内装と家具デザインを担当したのがペリアンだった。6人掛けの《パリ日本大使公邸のソファ》は、7mにも及ぶローズウッド製のフレームが力強く独創的なデザイン。籐編みを施したシートの左右がウィング状に持ち上がり、軽やかさも感じさせる。
パリにある日本大使公邸のメインの応接室用にデザインされ、現在も使われているという彫刻的なフォルムのバンケットソファ。クッションや座面の張り地には〈ジム トンプソン〉のタイシルクを使用している。
パリにある日本大使公邸のメインの応接室用にデザインされ、現在も使われているという彫刻的なフォルムのバンケットソファ。クッションや座面の張り地には〈ジム トンプソン〉のタイシルクを使用している。
1962年、リオデジャネイロで夫であるジャック・マルタンのためにペリアンが製作した《リオ・デ・ジャネイロの書棚》。ブラジル産の無垢のローズウッドを用いて書籍とともに美術品を展示できるように設計され、スライドするパネル部分には現地の伝統的な工芸技術の籐編みを取り入れている。
坂倉準三が設計したパリの日本大使公邸。1960年代にその内装と家具デザインを担当したのがペリアンだった。6人掛けの《パリ日本大使公邸のソファ》は、7mにも及ぶローズウッド製のフレームが力強く独創的なデザイン。籐編みを施したシートの左右がウィング状に持ち上がり、軽やかさも感じさせる。
パリにある日本大使公邸のメインの応接室用にデザインされ、現在も使われているという彫刻的なフォルムのバンケットソファ。クッションや座面の張り地には〈ジム トンプソン〉のタイシルクを使用している。
「サンローラン - シャルロット・ペリアン」と題された今回のエキシビションでは、1943年から67年にかけてデザインされた4点のレアピースが発表され、各作品は展覧会開催期間中、個数限定で受注販売された。

彼女が夫のジャック・マルタンのためにデザインし、リオデジャネイロで製作した《La Bibliothèque Rio de Janeiro(リオ・デ・ ジャネイロの書棚)》。試作品が失われたため、80年ぶりに再現された自身と家族のための《Le Fauteuil Visiteur Indochine(インドシナのゲスト用肘掛け椅子)》。坂倉準三が建築を手がけ、ペリアンが内装と家具デザインを手がけたパリの日本大使公邸のためのダイナミックな《La Banquette de la Résidence de lʼAmbassadeur du Japon à Paris(パリ日本大使公邸のソファ)》。そして当時の技術では実現が叶わず、スケッチと小さな模型のみが残されていたという《La Table Mille-Feuilles(ミルフィーユのテーブル)》を初めて実寸で再現。
Loading...

Pick Up注目記事

Recommend厳選おすすめ

ワラシちゃん占い

727日のお告げ
Casa iD

登録すると、会員限定の3大特典が手に
入ります。しかも無料。今すぐ、登録を!

メルマガ登録 (無料)

本誌発売日などにメルマガをお届け!

ご登録頂くと、弊社のプライバシーポリシーとメールマガジンの配信に同意したことになります。

シャルロット・ペリアンのレアピースを〈サンローラン〉が限定復刻。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS